いびき対策の「切らない方法」とは?歯科医が解説
いびきに悩む方の中には、「手術をしないと改善しないのでは?」と考える方も少なくありません。しかし実際には、メスを使わない「切らない」いびき対策もいくつか存在します。本記事では、成人のいびきに焦点を当て、生活習慣の見直しやマウスピース、高周波・レーザー治療といった外来で行える方法をご紹介します。ご本人はもちろん、ご家族の参考にもしていただければと思います。
1.いびきの原因とまず考えるべきこと
いびきは、睡眠中に気道(喉や鼻の通り道)が狭くなることで発生する音です。原因はさまざまですが、以下のような要因が影響するとされています。
- 肥満(首まわりの脂肪が気道を圧迫)
- 鼻づまり(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など)
- 顎や舌の形状
- 睡眠姿勢(仰向けで舌が喉奥に下がる)
- アルコール・一部の睡眠薬の影響
また、いびきが強く見られる場合には、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性もあります。該当する症状がある方は、まず医療機関での検査を受けることが大切です。本記事では「いびきの軽減を目指した方法」を中心にご紹介します。
2.切らないいびき対策の第一歩:生活習慣の改善
2-1.体重管理
肥満傾向の方は、睡眠時に気道への圧力が高まることがあります。適正体重を目指し、食事や運動の習慣を見直すことで、快適な睡眠をサポートする一助となることがあります。
2-2.睡眠姿勢の工夫
仰向けだと舌が喉の奥へ下がりやすいため、横向きで寝ることを意識すると、気道の通りが確保しやすくなります。抱き枕やクッションを活用するのも一つの方法です。
2-3.飲酒や睡眠薬を控える
アルコールや一部の睡眠薬は、喉周辺の筋肉を緩め、気道が狭くなることがあります。飲酒は就寝直前を避け、薬については医師に相談しましょう。
2-4.禁煙
喉や鼻の粘膜への刺激を減らすことは、睡眠時の快適さに寄与するとされています。禁煙は健康全般にも有益です。
2-5.鼻づまりのケア
鼻呼吸を促すことは、いびき対策としても大切です。耳鼻科での診療や、鼻腔拡張テープ、洗浄などを検討してみましょう。
※上記の方法はいずれも、日常生活の中で取り入れやすい点が特長です。
3.歯科でのマウスピース治療
生活習慣の見直しでも改善が見られない場合には、マウスピース(口腔内装置)による対策が選ばれることもあります。就寝時に装着することで下顎を前方に保持し、舌の落ち込みを防ぐ仕組みです。
特長と注意点
メリット
- 手術や入院を必要としない
- 睡眠時のみ使用、日中は装着不要
デメリット
- 慣れるまでに違和感を感じることがある
- 顎関節や歯並びにより適用が難しい場合も
費用と保険適用
- 保険適用:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を受け、医師の紹介があれば保険適用となる場合があります(目安:1万円前後)。
- 自由診療:いびき単独の場合は保険適用外で、費用は5〜10万円程度が一般的です。
受診の流れ
内科や耳鼻科で検査を受けた後、必要に応じて歯科に紹介されるのが一般的です。
4.CPAP(シーパップ)は重症SAS向け
CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠中に専用マスクを装着して気道に空気を送り込む治療です。中等症~重症のSASと診断された方に用いられます。
装着中は気道が保たれ、いびきの軽減が期待されることがありますが、装置の使用に慣れが必要で、軽症では保険適用にならないケースもあります。
5.最新の切らない治療:レーザー・高周波など
近年では、外来で可能な「切らないいびき対策」として、レーザーや高周波によるアプローチも登場しています。熱エネルギーで喉奥の粘膜(軟口蓋)を引き締める方法です。
代表的な方法
レーザー治療(ナイトレーズなど)
照射により粘膜を硬く保つことで、喉の振動を抑えるアプローチです。
高周波治療(パルスサーミアなど)
粘膜を熱凝固させて引き締める方式で、出血や痛みが少ないとされています。
費用・リスク
- 自由診療となることが多く、目安費用は3回セットで30万円前後。
- 効果や持続性には個人差があり、追加施術が必要になることもあります。
- 赤みや痛みなど軽度のダウンタイムが発生する場合もあります。医師とよく相談しましょう。
6.いびき対策の選び方
- まずは生活習慣の見直しから
体重や鼻づまり、寝姿勢などを確認し、日常の中でできることから始めましょう。 - 軽症であればマウスピースも一案
医療機関での検査のうえ、保険適用が可能か確認するとよいでしょう。 - さらに対策を検討する場合にはレーザーなども視野に
非侵襲的な選択肢の一つとして、医療機関でご相談を。 - 無呼吸が疑われる方は専門医の診察を
SASの疑いがある場合は、放置せず早めの受診をおすすめします。
7.まとめ
いびきは単に「音の問題」にとどまらず、睡眠の質にも影響する可能性があります。まずは生活習慣の見直しや簡便な対策から始めてみて、必要に応じて医師と相談しながら適切な選択肢を見つけていきましょう。
いびき対策には医科(内科・耳鼻科)と歯科の連携が重要です。一人ひとり異なる原因や症状に応じて、あなたに合った方法を見つけることが快適な睡眠への第一歩となります。
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