最近、歯をほとんど失ってしまった方に向けたインプラント治療の一つとして「オールオン6」という治療法が注目されています。オールオン6とは一体どのような治療なのでしょうか。本記事ではオールオン6の基本やメリット・デメリットを初心者にもわかりやすく説明し、オールオン4や通常のインプラント、入れ歯など他の治療法との違いも解説します。歯を失ってお悩みの方が自分に合った治療法を判断する際の参考になれば幸いです。

オールオン6とは？

オールオン6（オールオンシックス）とは、上顎または下顎に6本のインプラント（土台となる人工歯根）を埋め込み、その上に一連の人工歯を固定する歯科治療法です。簡単に言うと「6本のインプラントで全ての歯を支える」方法で、主に歯を全部（またはほとんど）失った方が対象となります。各歯の本数分インプラントを入れるより少ない本数で治療できるため、費用や身体への負担を軽減できる可能性があります。類似の治療法にオールオン4（4本で支える方法）がありますが、オールオン6は、オールオン4に比べインプラントの本数が多いため、特定の症例では安定性が期待できる場合があります。

オールオン6のメリット

• インプラントに固定された歯を使用するため、総入れ歯とは異なる噛み心地を実感される方もいます。
• 個々の患者様の口腔環境に合わせた人工歯を作製できるため、見た目に配慮した治療が可能です。
• 抜歯と同時にインプラントを埋入し、仮歯を装着できる場合もあるため、一般的なインプラント治療と比べて治療期間が短くなるケースがあります。
• 固定式のため、通常の入れ歯と比べて安定性が高いと感じる方もいます。

オールオン6のデメリット

一方で、オールオン6には注意しておきたいデメリットや課題もあります。

• 外科手術が必要: 歯茎を切開し顎の骨に穴を開けてインプラントを埋め込む外科手術が必要となり、入れ歯に比べて身体への負担やリスクが大きくなります。
• 費用が高い: 公的保険が効かない自費診療のため、費用は高額（数百万円程度）となり、保険適用の入れ歯に比べ負担が大きくなります。
• 定期メンテナンスが欠かせない: 長く快適に使うには定期的な歯科メンテナンスと日々の清掃が必須で、怠るとインプラント周囲炎などトラブルのリスクがあります。
• 対応できる歯科医院が限られる: 高度な技術を要する治療のため、対応可能な歯科医師・歯科医院が限られます。実績のある信頼できる医院を探す必要があります。

他の治療法との違い

歯を失った際の選択肢には、オールオン6以外にもオールオン4や通常のインプラント、入れ歯があります。これらとオールオン6の違いを簡単に比較してみましょう。

【オールオン4との違い】

オールオン4は片顎に4本のインプラントで歯を支える方法です。両者の違いはインプラントの本数（4本 vs 6本）です。オールオン6は、オールオン4に比べインプラントの本数が多いため、特定の症例では安定性が期待できる場合があります。骨の状態や予算に応じて、4本で済むオールオン4が選ばれることもあります。

【通常のインプラントとの違い】

通常のインプラント治療では、失った歯一本ごとにインプラントを埋入し、その上に一本ずつ人工歯を装着します。多数の歯を失った場合、この方法では必要な本数や費用・治療期間が膨大になります。オールオン6はインプラント本数を6本に抑えることで、手術の回数や費用負担を大幅に軽減できます。

【入れ歯との違い】

入れ歯（義歯）は保険適用なら安価で手術も不要ですが、装着時の違和感や噛む力の弱さ、ズレ・外れの心配、長期使用による顎の骨の痩せなどの課題があります。オールオン6はインプラント固定式の歯で、従来の入れ歯とは異なる特徴を持ちます。

まとめ

オールオン6は、歯をほとんどまたは全部失った方に対し、少ない本数のインプラントで固定式の歯を取り戻せる治療法です。総入れ歯にはない強い噛む力や自然な見た目を実現できますが、その反面、手術や高額な費用、術後のケアといった負担も伴います。他の治療法（オールオン4・通常のインプラント・入れ歯）にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、自分のお口の状態やライフスタイル、予算に照らして最適な方法を選ぶことが大切です。

オールオン6が適しているかどうかは、口腔内の状態によって異なるため、歯科医師に相談して適切な治療法を検討しましょう。