親知らずは痛い？無痛抜歯について

親知らずは痛い？痛みに配慮した治療で不安をやわらげましょう

親知らずを抜くと聞くだけで「痛そう……」と感じてしまう方は多いですよね。実際に、「抜歯＝痛い治療」というイメージから、なかなか歯科医院へ足を運べずにいる方もいらっしゃるかもしれません。今回は、近年注目されている「痛みに配慮した親知らずの治療」についてご紹介します。痛みに弱い方や歯科治療が苦手な方も、選択肢のひとつとしてご検討いただければと思います。

1．親知らずの抜歯が検討される主な理由

親知らずは、20歳前後をピークに生えてくる「第三大臼歯」です。歯列の奥まった位置に生えるため、清掃が難しく、虫歯や歯周病のリスクが高くなることがあります。30代〜50代で痛みを感じるケースも見られます。以下のような症状がある場合、歯科医師への相談をおすすめします。

• 腫れや痛みを繰り返す
• 歯ぐきの奥に違和感が続く
• 親知らずの周辺に歯周病の傾向がある
• 隣の歯に影響が出ている

歯科医院では、状態を確認したうえで適切な処置を提案いたします。

2．「痛みに配慮した治療」とは？

「痛みに配慮した治療」とは、できる限り痛みや不安に配慮した工夫を取り入れる治療のことです。親知らずの抜歯では、局所麻酔に加えて、笑気麻酔や静脈内鎮静法が選択される場合があります。歯科医院によって方法や対応範囲が異なるため、事前にカウンセリングでご確認ください。

局所麻酔

最も一般的な方法で、抜歯部位に麻酔を施します。表面麻酔や極細針、電動麻酔器の使用により、注射時の痛みにも配慮されています。

笑気麻酔

鼻から吸入することで、ぼんやりとリラックスした状態をつくる方法です。痛みの軽減ではなく、恐怖感をやわらげる目的で用いられることがあります。

静脈内鎮静法

鎮静剤の点滴により、うとうとした状態で治療を受けられる方法です。「治療の記憶がほとんどない」と感じる方もおり、強い不安がある方に向けた選択肢の一つです。対応可能な施設は限られるため、事前の確認が重要です。

3．治療の流れと目安となる期間

事前診察・検査

レントゲンやCT検査で、親知らずの位置や状態を確認します。必要に応じて、全身状態の確認や専門医との連携を行います。

抜歯当日

治療時間は抜歯の難易度や麻酔方法によって異なります。比較的簡単な抜歯であれば20〜30分程度、難易度が高い場合は1時間以上かかることもあります。

抜歯後のケア

抜歯後1週間程度で抜糸処置を行います。腫れは通常2〜3日をピークに徐々におさまりますが、麻酔の方法によっては、治療当日や翌日の安静が推奨されることもあります。

4．費用と保険適用について

親知らずの抜歯は、健康保険の対象となる処置です。3割負担で数千円程度が一般的な目安です。ただし、笑気麻酔や静脈内鎮静法については、保険適用外で自費診療となるケースもありますので、事前に費用の確認をしましょう。

5．30〜50代の方に知っていただきたい注意点

年齢を重ねると、親知らずの抜歯後に腫れや痛みが長引く傾向があるといわれています。歯の根の形や骨との関係性により、慎重な治療計画が求められる場合もあります。また、全身の健康状態によっては、他の医療機関との連携が必要になることもあります。まずは一度、検査を受けて現状を把握することが大切です。

6．安心して治療を受けるためのポイント

カウンセリングを受ける

親知らずの状態や不安な点について、事前に相談しておくと安心です。歯科医師が配慮した治療方法を提案してくれます。

対応できる医療機関を選ぶ

静脈内鎮静法などの希望がある場合、対応可能な設備があるかどうかを確認しましょう。公式サイトなどを参考に、情報収集を行うのもおすすめです。

アフターケアを丁寧に

抜歯後は医師の指示に従い、食事や生活習慣に気をつけながらケアを行うことが大切です。

7．まとめ

「親知らずの抜歯＝痛い治療」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、現在では痛みに配慮した方法や不安を軽減する工夫が数多くあります。選択肢が広がった今だからこそ、まずは歯科医師へ相談してみてはいかがでしょうか。

• 痛みが不安
• 歯科治療が苦手
• 忙しくて通院回数を抑えたい

そんな方にも、より安心して受けられる治療を見つけるきっかけとなれば幸いです。