ブルーラジカル歯周病治療は保険適用？ 新しい歯周病治療の選択肢

はじめに（歯周病の悩みと治療の選択肢）

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどを引き起こす病気で、大人が歯を失う主な原因の一つです。症状が進行すると、最終的に抜歯が必要になるケースもあります。そのため、なるべく歯を残したい、痛みの少ない治療を受けたいと考える方が多くいます。

こうした中で、最近「ブルーラジカル歯周病治療」という新しい治療が注目されています。これは、歯周病治療の選択肢の一つとして導入が進められており、従来の外科的治療と異なるアプローチを採用しています。本記事では、この治療の特徴や保険適用の有無、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

ブルーラジカル歯周病治療は保険適用されるの？

結論から言うと、ブルーラジカル歯周病治療は、現在のところ公的医療保険（健康保険）の適用外です。そのため、治療費は全額自己負担となり、自由診療扱いになります。

なぜ保険が適用されないのかというと、この治療法が比較的新しい技術であるため、まだ保険診療の対象として認められていないからです。日本の医療保険制度では、新たな医療機器や治療法が保険適用されるためには十分な臨床データの蓄積や評価が必要になります。今後、より多くの臨床実績が蓄積され、国の審査を経て保険適用が検討される可能性はありますが、現時点では自由診療での提供となっています。

ブルーラジカル歯周病治療とは？（概要や特徴）

ブルーラジカル歯周病治療は、光エネルギーと過酸化水素水を活用した歯周病治療機器を使います。波長405nmの青色光を照射しながら、低濃度の過酸化水素水を作用させることで、細菌をターゲットにした新しいアプローチが可能になります。

さらに、ブルーラジカル歯周病治療の機器には超音波スケーラー機能が搭載されており、細菌の殺菌だけでなく、歯石やプラークの除去も同時に行える仕様となっています。これにより、従来のスケーリング（歯石除去）と併用することで、歯周ポケットの清掃をより効率的に行うことが期待されています。

メリット：歯ぐきを切らない治療法

1. 低侵襲で身体への負担が少ない

従来の歯周病治療では、進行度が高い場合に歯ぐきを切開する「フラップ手術」が行われることがあります。しかし、ブルーラジカル歯周病治療は歯ぐきを切らずに処置が可能とされているため、患者の負担が軽減される可能性があります。

2. 細菌をターゲットにした新しいアプローチ

過酸化水素水と青色光を組み合わせることで、歯周ポケット内の細菌に対して作用するメカニズムが採用されています。従来の機械的なクリーニングと異なる方法で細菌にアプローチできる点が特徴です。

3. 短時間での処置が可能という報告もある

ブルーラジカル歯周病治療は、超音波スケーラーと光照射を同時に行えるため、治療の効率を高める可能性があるとされています。1本あたりの処置時間が比較的短く、複数の歯を同時に処置できる場合もあるため、通院回数が抑えられる可能性があります。

デメリット：費用負担と普及度

1. 保険適用外で費用がかかる

ブルーラジカル歯周病治療は、健康保険の適用外であるため、全額自費負担となります。歯科医院によって料金は異なりますが、治療費が比較的高額になる点は注意が必要です。

2. 対応している歯科医院が限られている

この治療法は比較的新しく、全国の歯科医院で導入されているわけではありません。そのため、治療を希望する場合は、ブルーラジカル歯周病治療を導入している歯科医院を探す必要があります。

3. 再発防止のための新しいアプローチとして研究が進められている

歯周病は慢性疾患であり、治療後も再発する可能性があります。ブルーラジカル歯周病治療も、従来の治療法と同様に、定期的なメンテナンスが重要です。再発を防ぐための手段の一つとして研究が進められていますが、長期的なデータはまだ蓄積中である点を考慮する必要があります。

将来的な保険適用の可能性

現時点では保険適用ではありませんが、今後の研究と実績次第では適用が検討される可能性もあります。新しい医療機器や治療法が保険診療に組み込まれるには、長期的な臨床データの蓄積や、医療経済的な評価が必要となるため、動向を見守ることが重要です。

まとめ

ブルーラジカル歯周病治療は、歯周病治療の選択肢の一つとして注目されています。当院でもブルーラジカル歯周病治療を行っております。